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最高裁判所第三小法廷 昭和50年(オ)570号 判決

主文

理由

上告代理人倉橋春雄の上告理由第一点について

所論の売買契約に関し、残代金完済時に本件土地の所有権を移転する旨の特約の存在を認めることができないとする原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができる。そして、特定物の売買契約では、将来のある時期にその所有権を移転する旨の特約がない限り、直ちに所有権移転の効力を生ずるものと解すべきであるから、前記事実関係のもとにおいては、右売買契約によつて本件土地の所有権が大和施設株式会社に移転したとする原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

同第二点について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

(裁判長裁判官 服部高顕 裁判官 天野武一 裁判官 江里口清雄 裁判官 高辻正己 裁判官 環 昌一)

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